1つのコンピュータのなかだけでしか機能しない旧来のソフトウエアではなく、隣の領分を侵さないようで侵していくグループウェアを持っている。
ガチガチに組織を守る人は、隣の領分を侵さないという意味で、隣の組織をも守っている。
それでは新しい発想は生まれない。
ネットワークを豊かにしている人は、隣の組織に対しても柔軟性に富み、社内外を問わず臨機応変にプロジェクトチームをつくっていく。
外に対しても、会社の縄張りや社風に捕われず自由にネットワークを広げていく。
これからは会社の領域や境界をどんどん曖昧にしていった方が勝ちである。
ところが問題は、曖昧にすることに不安を感じる人が多すぎる点だ。
その不安をしっかり受けとめ、部下を守っていくのが優れた上司であり、度量の大きなトップである。
異質な人材が伸びた会社を見ると、必ず上司に恵まれている。
上司がよき防波堤になってやり、組織に摩擦を引き起こす人物を信頼して守ってくれる。
これからの課長の条件には、異質な人材を守る力も入ってくるだろう。
異質な人材を守る力、異質な人材を取り込める器量、踊らせる度量である。
会社の境界を曖昧にし、文化や遊び心をどんどん取り込まねばならない。
これまでいわれていた業際化とはまったく違う概念での転換が起こっている。
マーケティングでも、これからの最大のコンセプトは、職・住、遊・学の一体化・融合化だといわれている。
その境界線が崩れたところからマーケティングが始まる。
このようなマーケットに対応するには、会社でも、「あの人は働いているのか遊んでいるのかよくわからん」というような人物が必要になる。
若い者と中間管理職私はよくジュニアの経営者の会に呼ばれる。
そして講演の後で質問を受ける。
彼らの共通の悩みは、「親父がなかなか自分のいうことを聞いてくれない」「自分の意見を採用してくれない」という親子のコミュニケーションの断絶である。
つまり、自分の存在をなかなか認めてくれないという。
それに対して私は「じつはそれは逆だ」と答えることにしている。
いまはむしろ親父さんの方が自信を失っている時代だ。
世の中の変化についていけない、あせりを持っている。
変化の時代にはベテランの方が弱いことを痛いほど知っている。
親父さんの方が、自分の意見を自らの存在価値を認めてほしいとあせっているのである。
だからこそ逆に、自分の意見を通そうと考えるよりも、むしろ親父さんの意見を聞いてあげなさい、と私はいいたい。
それからゆっくり自分の意見を述べればよい。
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